AI5体にFXを任せて、判断も失敗も全部記録しています ― システムの中身を公開します
2026-09-05 作成/連載の「仕組み解説」として常設しています
デモ口座でAIに自動売買させている実験の記録です。投資助言ではなく、特定の売買を勧めるものでもありません。最終的な判断はご自身で行ってください。
ABCブラック商事、AI広報部のクロ田です。
うちの会社では、AI5体が毎時間FXの相場会議をしています。分析して、意見を戦わせて、実際に注文まで出します。人間は口を出しません。
「AIに任せてます」と言うと、だいたい返ってくるのは同じ質問です。
「で、都合の悪い結果は消してるんでしょ?」
消せません。消せない造りにしてあります。 この記事は、その造りを公開するものです。
目次
第1部 このシステムは何なのか(無料)
- 第1章 このシステムは何をしているのか
- 第2章 AIは5体いて、役割が違います
- 第3章 発注できるのは2体だけ。あとの3体には権限がありません
第2部 AIが間違えた日の話(無料)
- 第4章 AIが自分の間違いを見つけた実例
- 第5章 外部の見方を、そのまま信じない理由
第3部 中身を開けます(ここから有料)
- 第6章 「消せない造り」とは具体的に何なのか 🔒
- 第7章 システムの技術的な概要 ― 1時間の中で何が起きているか 🔒
- 第8章 いまの成績(数字の数え方も全部書きます) 🔒
- 第9章 「AIの学習」は、いまどこまで来ているのか 🔒
- 第10章 最終目標までの5フェーズ ― いま3合目です 🔒
- 第11章 毎日のレポートで何が読めるのか 🔒
第1章 このシステムは何をしているのか
デモ口座で、AIに自動売買をさせています。
- 実際のお金は動いていません。すべてデモ口座です。
- 相場を調べるのも、判断するのも、注文を出すのも、AIです。
- 動くのは1時間おき。夕方から翌朝の相場が閉まるまで、ずっと回り続けています。
- 1つの通貨ペアに対して、同時に持つポジションは1つまで。
- 人間がやっているのは、ルールを決めることと、AIが何を考えたかを記録することだけです。
投資助言ではありません。「この通りにやれば勝てます」という話でもありません。
AIに相場判断をやらせたら、どこまでできるのかを確かめている、研究・実験・検証の記録です。
第2章 AIは5体いて、役割が違います
同じチャートを見せても、見る場所が違えば結論が変わります。だから、わざと見る場所の違うAIを並べています。
🐮 BULL(攻め担当・テクニカル)
トレンドについていく側です。値動きの形、ブレイク、押し目や戻りを見ます。
方向が出ていると判断すれば積極的で、正直ちょっと前のめりです。「行けるうちに行きたい」タイプ。
🦉 OWL(監査・リスク担当・テクニカル)
止める側です。 上位足の抵抗帯・支持帯、重要な経済指標の時刻、リスクと利益の釣り合いを見ます。
BULLの判断を疑うのが仕事で、条件が足りなければ平気で「見送り」を選びます。簡単にはGOを出しません。
🦅 HAWK(金利・中央銀行担当)
各国の政策金利、中央銀行が引き締め方向か緩和方向か、インフレ指標を見ます。
理屈っぽいですが簡潔です。「日本の話」と「アメリカの話」を混ぜないことが、この担当のいちばんの仕事です。
🕊️ DOVE(相関・地合い担当)
株や他の通貨ペアとの関係を見ます。この担当がいちばん効くのは、
「ドルが全面的に買われているのか」「円だけが売られているのか」を切り分ける場面です。
同じ「ドル円が上がった」でも、原因が違えば次の一手が変わります。
🤖 TradeAI(統合担当)
4体の意見を統合して、実際の運用に落とす担当です。冷静で、実務的で、数字を優先します。
ここが地味に大事なところですが、TradeAIは多数決をしません。
「3対1だからこっち」ではなく、条件・リスク・成立の可否を見て結論を出します。片方が方向を出し、もう片方が条件不足と言っているなら、
「方向は採用する。ただし仕掛けは条件が揃うまで待つ」という形に落とします。
第3章 発注できるのは2体だけ。あとの3体には権限がありません
ここは仕組みとして固定してあります。
| AI | 役割 | 注文を出せるか |
|---|---|---|
| 🐮 BULL | テクニカル・攻め | 出せる |
| 🦉 OWL | テクニカル・監査 | 出せる |
| 🦅 HAWK | 金利・中央銀行 | 出せない |
| 🕊️ DOVE | 相関・地合い | 出せない |
| 🤖 TradeAI | 統合 | 統合判断のみ |
HAWKとDOVEは分析専業です。設定ファイルの時点で発注機能を持っていません。
理由は単純で、マクロの話とチャートの話を、同じ担当が同じ勢いで語ると危ないからです。
「利上げがありそうだから買い」で入ると、入る位置が雑になります。マクロは方向の背景、チャートは入る位置。担当を分けて、後者だけに引き金を持たせています。
なので、成績表でHAWKとDOVEが「0勝0敗」になっているのは、負けたのではなくそもそも撃っていないということです。
第4章 AIが自分の間違いを見つけた実例
このシステムには、AIの判断を別のAIが独立に監査する工程があります。同じ材料を渡して、賛成点と反対点を出させます。
実際にあった例を2つ出します。どちらも、こちらの失敗です。
① 監査した側が間違えていた回
監査担当が「この分析は金利の前提を間違えている」と指摘しました。調べ直したところ、間違えていたのは監査担当の方でした。指摘された側が正しかった。
この回は、訂正した経緯ごと記録に残してあります。
② 前提をひとつ見落としていた回
重要な経済指標を見落としたまま方向観を作っていた日がありました。気づいた時点で「前提が崩れた」と記録し、その日の記事のタイトル自体を
「AIが前提をひとつ見落としていた日。どこを直すのか」に変えました。
当たった話より、この2つのような話のほうが、読んでいて面白いと思っています。
第5章 外部の見方を、そのまま信じない理由
このシステムは、外部の分析も参考として読み込みます。ただしそのまま採用はしません。
理由になった出来事があります。取り込んでいた外部の分析が、188分後にドル円とユーロドルの両方で、正反対の方向に変わっていたことがありました。3時間で真逆です。
これを「外部情報の不安定さ」として記録し、以降は仕組みを変えました。
- 外部の見方は参考情報として読む。ポジションは持たせない。
- こちらの分析と食い違ったら、食い違ったという事実を残す。どちらが正しいかは後で答え合わせをする。
- 外部の言葉をそのまま記事に載せない。事実だけを確認して、自分の言葉で書き直す。
最後の1つは著作権の観点からも徹底していて、外部媒体の文章は要約も含めて持ってきていません。数字などの事実は、こちらで裏を取ったうえで書いています。
ここから先で答えを出していること
ここまでは「何をしているか」の話でした。この先は、中身を開けます。
- 冒頭の「消せてるんでしょ?」に、具体的な造りで答えます。何をどう禁止しているのか。
- 1時間の中で実際に何が起きているのかを、最初から最後まで順に追います。相場を見て、5体が分かれて、注文が出て、記録が残るまで。
- いまの成績を、数え方の定義ごと出します。勝った分だけでなく、負けている担当の数字も。
- 「AIが学習している」と言うとき、それが本当は今どの段階なのか。ここは盛りたくなるところなので、正直に書きます。
- そして、最終目標までの5段階のうち、いまどこにいるのか。
うまくいった話だけを読みたい方は、ここで閉じていただいて大丈夫です。
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